複数職種のスタッフがチームを組んで進めていくWebサイト制作。「Webデザイナーのデザイン制作が終わったら、フロントエンドエンジニアがコーディングを始める」など、制作工程の中で各職種の実働期間は同じではありません。数十人のスタッフが参加する大規模な制作現場では「いつまでに、誰が、何をしないといけないのか」をチームで共有することが重要になってきます。そこで活躍するのが、タスク管理ツール。今回は多くの制作現場で使用されている代表的なタスク管理ツールについて、特徴や機能をご紹介します。
目次
Backlog(バックログ)

Backlogのポイント
- フリープランあり
- 小〜大規模チーム向け
- 直感的に使えるデザイン
- マルチデバイス対応(iOS、Androidアプリあり)
- 様々な外部サービスやアプリとの連携が可能
Backlogは、ガントチャートによるスケジュール(マイルストーン)とタスクの管理、ファイル共有・バージョン管理(Git、Subversion連携)、Wikiによる情報共有など、プロジェクト全体の進行状況をクラウド上で一元管理できるプロジェクト管理ツールです。日本生まれのサービスだけあって、日本語によるヘルプ情報も豊富。ITの知識が多くない人でも直感的に使えるUIは、Web業界だけでなく多くの企業で導入されています。
自分のタスクや進捗状況だけでなく、メンバーのタスクや進捗状況も確認できるため「各メンバーの工程がどの程度進んでいるか」が明確にわかるのが特徴です。作成したガントチャートなどはファイルとしてエクスポートすることもできます。
Trello(トレロ)

Trelloのポイント
- 基本機能は無料(有料プランあり)
- 個人〜大規模チーム向け
- シンプルで自由度が高い使い勝手
- マルチデバイス対応(デスクトップアプリ、iOS、Android、Kindle Fireアプリあり)
- 様々な外部サービスやアプリとの連携が可能
Trelloはプロジェクトごとに「ボード」を作成し、カテゴリごとの「リスト」を設定します。タスクを登録した「カード」をリストの付せんのように貼っていく、シンプルなカンバン方式のクラウド型のチームタスク管理ツールです。世界中で利用されていて、日本語にも対応しています。人気のポイントは、プロジェクトにあわせて柔軟に設定できる自由度の高さ。それだけに「リスト」を担当者別で設定するのか、進行中・終了などのステータス別で設定するのかといった事前のルール設定が大切になってきます。逆にそれさえ決めておけば、極めて少ないアクションで視覚的にタスク管理ができます。
カンバン方式についてはこちら
Smartsheet(スマートシート)

Smartsheetのポイント
- 無料トライアルあり
- 個人〜大規模チーム向け
- 需要に応じた豊富なテンプレート
- Slack、AWSなど豊富な外部サービスとの連携が可能
Smartsheet(スマートシート)は、全世界で83,000以上のブランドが利用している高機能なプロジェクト管理ツールです。ガントチャート、カードビューなど状況に応じた豊富なテンプレートを取り揃えているので、プロジェクトの規模や状況などに合わせて柔軟に対応できます。操作方法やUIもExcelやGoogleスプレッドシートに近く、それらの利用経験のあるユーザーにとっては非常に使いやすいツールです。
また、ユーザーのタスクを削減するために、レポートの自動作成、ワークフローの自動化ツール、リマインダー機能など、業務の効率化のための機能も多く搭載しています。Gmail、SlackなどのコミュニケーションツールからTableauやSalesforceなどのデータ分析ツールとも柔軟に連携可能なため、プロジェクトの情報を一元管理するプラットフォームとしても活用できます。
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Jira Software(ジラ ソフトウエア)

Jira Softwareのポイント
- フリープランあり
- 個人〜大規模チーム向け
- スプリントで管理できるスクラムボード
- マルチデバイス対応(iOS、Androidアプリあり)
- 外部サービスやアプリとの連携が可能
ソフトウエア開発は大きく分けて、アジャイルとウォーターフォールという手法に分けられます。アジャイルは、計画・実装・リリースのサイクルを繰り返し、定期的にアップデートしながら完成を目指す手法。仕様変更などにも対応しやすく、Webサービスやスマートフォンアプリなどの開発で多く採用されています。ウォーターフォールは事前に仕様を固めてから実装・リリースしていく手法。パッケージソフトや基幹システムなどの開発で多く採用されています。
Jira Softwareは「アジャイルチームの利用実績 No.1 ソフトウェア開発ツール」を掲げているクラウド型プロジェクト管理ツール。プロダクト管理、タスク管理、進行管理、コードレビュー、課題・タスク・バグ修正などの追跡、レポーティングなどが行えます。
アジャイル開発では、今週は機能A、来週は機能Bなど、実装する機能ごとにスクラム(チーム)を組み、スプリント(今週、来週など計画からリリースまでの単位期間)の中で何をして何をリリースするかロードマップを設定して開発を進めていきます。また、実装する機能によってスクラムに加わるメンバーが変わるもの。Jira SoftwareにはTrelloのようにプロジェクト全体を管理できるボードのほか、スプリント単位でタスクを管理できる「スクラムボード」があり、ひとつのツールでプロジェクト全体、スプリント、個人の作業進捗を管理することができます。日本語にも対応していて、有料プランを選ぶとサポートも受けられます。世界的に利用されていることからユーザーフォーラムは大きいですが、運営されている言語は英語となります。
Redmine(レッドマイン)

Redmineのポイント
- 無料で使える
- 小〜大規模チーム向け
- マルチデバイス対応(iOS、Androidアプリあり)
Backlogと同様、ガントチャートによるスケジュール(マイルストーン)とタスクの管理、ファイル共有・バージョン管理(Git、Subversion連携)、Wikiによる情報共有など、プロジェクト全体の進行状況をWeb上で一元管理できるプロジェクト管理ツールです。オープンソース型ソフトウエアのため、オンプレミス(自社サーバー)にインストールして使う点がBacklogとの大きな違いです(有料のホスティングサービスもあり)。
やることや期間、優先度、担当者などを入力した「チケット」を登録すると、ガントチャートやカレンダーに自動で反映されるのが特徴。「チケット」のステータスを確認することでタスク管理をしていくことができます。
Todoist(トゥードゥーイスト)

Todoistのポイント
- 無料プランあり
- 個人向け
- 直感的に使えるデザイン
- マルチデバイス対応(デスクトップアプリ、iOS、Androidアプリ、プラグインなど)
- 様々な外部サービスやアプリとの連携が可能
Todoist(トゥードゥーイスト)は、設定したプロジェクトごとにタスクを登録し、カレンダー形式で日々のToDoを管理していくクラウド型タスク管理ツール・リマインダーツール。プロジェクト全体の管理というよりは、今日自分がやらなくていけない個人タスクを管理するのに適しています。共有機能を使ってプロジェクトやタスクにメンバーを招待・アサインすることで、チームのタスク管理ツールとして使うこともできます。
直感的に使えるデザインと使い勝手、タスクとサブタスクという形でタスクを階層的に管理できる点が特徴です。デスクトップアプリ、モバイルアプリのほか、ブラウザの機能拡張やメールプラグイン(Gmail、Outlook)などもあり、端末を選ばずに使えます。Google Playの「2019年エディターズ・チョイス」にも選ばれました。
toggl(トグル)

togglのポイント
- 無料で使える
- 個人向け
- 使った時間を視覚化できる
- 様々な外部サービスやアプリとの連携が可能
toggl(トグル)は、どの作業にどれだけ時間がかかったか把握できるクラウド型の時間管理ツールです。ストップウォッチをスタート/ストップする感覚で、タスクにかかった時間を計測できます。タスクをプロジェクトにひも付ければ、1日の中でどのプロジェクトにどれだけ稼働時間を割いたか振り返りやすくなっています。また、稼働時間レポートは棒グラフで表示され、視覚的に確認可能。業務効率化につなげたり、メンバーの稼働を管理したり、稼働に応じた見積書作成に役立てたりすることができます。
Googleタスク

Googleタスクのポイント
- 無料で使える
- 個人向け
- スマホアプリ/Webアプリ
- Googleカレンダー、Gmailとの連携が可能
Googleタスクは、G Suiteのタスク管理ツールです。無料のGoogleアカウントでも利用でき、スマホアプリのほか、GoogleカレンダーやGmailの機能としても提供されています。Googleカレンダーでは予定を追加するようにタスクを追加し、Gmailでは受信トレイからToDoリストに追加できます。それぞれのタスクには、サブタスクを設定することも可能です。
タスクに設定した時間がくるとプッシュ通知で知らせてくれるので、タスクに取りかかる時間を設定しておけば、1日の予定管理として使うこともできます。やることを登録して、やり終わったらチェックする。操作性は極めてシンプルです。
表計算ソフト(Microsoft Excel/Googleスプレッドシート)

表計算ソフトのポイント
- ソフトがあれば使える
- 小〜大規模チーム向け
- 更新は手作業
Microsoft Excel、Googleスプレッドシートともにガントチャートのテンプレートが用意されていているので、作成自体はしやすいです。しかし、更新は手作業でやっていく必要があります。Microsoftの Office 365 ユーザーならクラウドストレージの「OneDrive」、Googleスプレッドシートなら「Googleドライブ」にファイルを保存し、メンバーを招待することで、オンライン上での共有・共同編集が可能です。元のデータがクラウド上にあるため、デスクトップ、モバイル、Webからもアクセスできます。またファイルに招待するユーザーの権限(編集可、閲覧のみなど)を設定できるので、メンバーだけでなくクライアントとも簡単に共有できます。タスク完了の報告を受けてファイルを更新する手間はかかりますが、低コストなのが魅力です。
まとめ
いかがでしたか。株式会社ヌーラボが2020年1月に発表した「業務ツールと働きやすさに関する調査(https://nulab.com/ja/press-release/pr-2001-backlog-soken/)」によると、タスク管理などの情報共有系のコミュニケーションツールは、92.0%が不可欠と回答したという調査結果もあるそうです。働き方改革により、業務効率化&生産性向上のためにさまざまな制作現場で管理ツールが導入されています。興味のある人は使ってみてはどうでしょうか。