アメリカにWebディレクターはいない?

最近は企業もアジアに支店を出したり、シリコンバレーで新規ビジネスを始めたりと、グローバル化が一層加速しています。そこで日本と海外のビジネスを比べる機会が増え、文化や習慣を含めて、職業が比較対象となることも多くなってきました。
Webディレクターも同じく、海外で活躍するディレクターはどんな人物だという議論もしかるべきなのですが、どうもアメリカにはWebディレクターという職業は存在していないようだ、という説が存在します。

現実はアメリカにも、アジアにもWebディレクターの肩書きで働いている人は少なからずいると思います。しかし、そんな説が出てくる背景には何があるのでしょうか。

デザイナーがディレクションも?

日本でWebディレクターをした後に、アメリカの制作会社で働いた人がいます。
彼はデザインもコーディングも初歩的なレベルで、実務レベルではありません。
日本にいた頃はいわゆる、制作作業には直接触れずに、顧客との折衝や交渉、調整などを主な業務としていました。提案、営業から、進行管理が主な担当です。
日本での実績を基に、アメリカの西海岸にあるデザインを強みとした制作会社に入社します。するとWebディレクターという肩書きから、Producer/Project Managerに代わり、主に顧客、売上、コスト管理を中心にプロジェクト全体を管理する立場になりました。
制作部分のディレクションはというと、デザイナー自らが行なっている訳です。

 

顧客も含めたチームでディレクション

デザイナーは実際にデザインを行ないます。そして顧客と直接やり取りをして仕様を固めていきます。

進め方はというと、顧客を巻き込んだ上で、何人かのデザイナー同士でもディスカッションを行い、意見をぶつけ合います。そして、その意見を更にぶつけ合いながら、最終的に一つの形にしてゴールさせます。
誰か一人がリードする訳でなく、個人の意見をベースにして徹底的にディスカッションを繰り返します。
アメリカのWeb制作では「プロダクトを作れる人」の意見が強く、イニシアチブを持って形にするまでのプロセスがあります。極端な話、そこに調整は必要なく、顧客を巻き込んだチームとして一つの意見に納得するまでディスカッションを繰り返します。

 

責任の所在が曖昧な日本

日本のWeb制作プロセスは、顧客側の担当とWebディレクターが主にやり取りをして、予算は稟議を上げ、要件は上層部の要望をまとめあげ、実現可能性を制作チーム・開発チームと相談しながら様々な立場を横断し、一つのゴールに先導する人が必要です。
つまり責任範疇が多数、あるいはまったく無い状況の中で、様々な「調整」が必要な環境なのです。誰がイニシアチブを持つのか、言い換えると誰がどこに責任を持つのかがあいまいなケースが多々あります。

 

まとめ

あくまで一つの例ですが、先述したアメリカの制作会社のように、顧客を巻き込んで、チームとして意見をぶつけあいながら一つのプロダクトができあがる環境であれば、「Webディレクターがいない」という説の、一つの理由として納得の背景ですよね。

 

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