クライアントの企業活動が時間の経過とともに変わっていくように、Webサイトに求められる役割も変わっていきます。また、Webサイトの新規構築やリニューアル時に想定していたパフォーマンスも、公開後に検証してみないとその効果は測れません。
そこで活躍するのが、Webコンサルタント。
今回はその仕事内容から平均年収まで、全容を解説していきたいと思います。
目次
Webコンサルタントの仕事内容
Webコンサルタントは、経営視点に立ってWebの領域をコンサルティングする人。
クライアントの経営視点に立って、Webマーケティングに関する課題の発見・抽出、戦略や施策の立案・提案、実施後の検証などを行います。
WebサイトやWebサービスによって課題が異なるため、カバーする領域は広範囲に及びます。
代表的なものは以下のようなものが挙げられます。
- SEM(Search Engine Marketing:検索エンジンマーケティング)
- インターネット広告
- コンテンツマーケティング
- SNS
- EFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)
- CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)
仕事の流れとしては、調査と分析をしてうまくいかない原因や課題を見つけ、解決策を考えて施策を実施。その結果を検証して、新たな課題を見つけたり、別の施策を考えたりして、目標達成を目指します。
課題を解決するために施策やツールを提案することもあれば、事前に設定していたKPI(Key Performance Indicator)、KGI(Key Goal Indicator)自体の妥当性を検証してゴールそのものの再定義提案をすることもあります。
Webマーケター(https://magazine.krowl.jp/3929/)も近い仕事をしていますが「経営視点で考える」という点が違いになります。
特定のWebサイトというよりは、クライアントが運用しているすべてのWebサイトを俯瞰で捉えて経営資源を割り振りながら効率化・最適化を図っていく仕事も増えているようです。
ちなみに、似た名前で「ITコンサルタント」という職種もありますが、こちらはもっと根幹的なテーマを扱います。「こういう基幹システムを導入すると商品開発から製造、流通まで効率化できますよ」といった「IT経営のコンサルティング」を行います。
Webコンサルタントのやりがい
課題を見つけて、解決策を考えて、実施して検証する。その指揮を執る役割を担うので、プレッシャーや責任も大きいですが、課題を解決したときのインパクトも大きくなるため、得られるやりがいも大きなものがあります。
また、Webコンサルタントの中には、提案した解決策の実施前と実施後を数字で比べることができることから「止まりかけたWebサイトやクライアントの成長を、自分の提案がきっかけで伸ばすことができた」という実感が得られるのが面白いと考える人もいるようです。
Webコンサルタントのキャリアパス
Webコンサルタントの場合、次の職種を目指すというよりも、領域を広げたり、得意分野を深掘りしたりする人が多いようです。
商品やサービスの価値、ユーザーとの関係性も時間の経過とともに変わるため「SEMに精通していて集客が得意」というよりも、接客や追客までカバーできるほうが、より深くクライアントの経営に貢献できるためです。
Webコンサルタントに向いている人
提案する解決策は、個人のひらめきや信念よりも、論理的に裏付けられたものである必要があります。そのために必要なのは、うまくいかない原因や課題を的確に見つけ、正しい仮説を構築できること。
また、施策に使える予算には限界があるため、限られた予算の中で最適な解決策を提案できる論理的思考力と、クライアントに「解決策を実行すれば改善できる」と思ってもらう(予算を割いてもらう)コミュニケーション力は欠かせません。
未経験からWebコンサルタントを目指すには?
Webコンサルティング会社であれば、新卒からWebコンサルタントというケースもあります。
しかし一般的には、ある程度のWebサイト制作実務や、Webマーケティング、SEOの運用などを経験してから、Webコンサルタントにステップアップしていくケースが多いようです。Webサイトの構造やWebマーケティングの仕組みを理解していないと、課題を見つけることも、適した解決策を提案することもできないからです。
SEO、SEMはほとんどのWebサイトで求められているため、Webコンサルタントを目指すならこのあたりを入り口として考えるのがいいでしょう。
平均年収は?
マーケティング職の平均年収は490万円程度と言われていますので、Webコンサルタントの平均年収の参考になるでしょう。
20代:381万円
30代:514万円
40代:674万円
50代以上:777万円
仕事に活かせる経験・スキル・資格って?
特別な資格は必要ありませんが、課題を見つけるため、解決策を導き出すために、Webサイトの調査・分析は必須のスキルとなります。
また、Webサイトの構造を理解する上で制作の知識も助けになります。
▼国際実務マーケティング協会 マーケティング・ビジネス実務検定
https://www.marke.jp/
▼ネットマーケティング検定
https://www.sikaku.gr.jp/nm/
▼一般社団法人 ウェブ解析士協会 ウェブ解析士
https://www.waca.associates/jp/
▼Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)
https://academy.exceedlms.com/student/path/2949-google-gaiq
▼情報処理技術者試験ITパスポート
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html
▼ホームページ制作能力認定試験
https://www.sikaku.gr.jp/web/hp/
最近の動向(仕事のトレンド、求人量など)は?
施策にもツールにも精通していて経営も語れるWebコンサルタントは、業界を見渡しても人数は多くないため需要は高いと言えます。また、結果を出し続けていれば特定のクライアントとの関係も長くなっていき、より深く経営にコミットしていきやすくなります。
クライアントのWeb戦略について経営視点からアドバイスをしていく上流の仕事を専任にする人(会社)もいれば、「離脱を減らして資料請求率を上げるために何ができるか」という目の前の課題に向き合う人(会社)もいます。
自分がどういうWebコンサルタントになりたいかを考えて、今必要なスキルを獲得できる会社を選ぶのが転職成功のコツかもしれません。
まとめ
今回はWebコンサルタントについて細かく解説してきました。
Webサイトを公開するクライアントは「せっかく公開するなら、より良い結果を出したい」と考えるもの。そのためにさまざま手法を用いて結果を出すのがWebコンサルタントのミッションです。
クライアントの収益を左右しかねない責任感の大きな仕事ですが、それだけに挑みがいもある仕事です。興味のある人はチャレンジしてみてください。
Web業界にはプロデューサー、Webディレクター、Webデザイナー、Webエンジニアなど、全く違った持ち味を活かして働ける職種があります。
どこに適正があるか、今はまだ自分では分からないかもしれませんが、実際やってみたり、現場の人に話してみたりすることで、自分の道が見つかるかもしれません。
Web業界に興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてください。
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