実務体感!Webディレクション編

「自分が働いているイメージがつかない」というのは、未経験からWeb業界に入る人の大きな悩みの一つではないでしょうか。
インターンシップやセミナーで業界と会社の雰囲気は掴めるものの、実際に自分がどのような仕事に携わるのか想像しにくいですよね。

今回は「ひとつの案件」を舞台に、どのように仕事を進めていくかをWebディレクター視点で具体的に紹介しようと思います。

架空の案件ではありますが、内容は出来る限り実際の仕事内容に近づけてあります。

  • これからWeb業界を目指す人
  • Web業界への就職を検討している人
  • 職種別の仕事を知りたい人
  • チームで仕事をすることに興味がある人

このような方は、ぜひ読んでみてください!

1.依頼の受注

【この期間の主な仕事】

依頼内容の確認

スケジュール作成

概算見積り作成

クライアント確認

1‐1 依頼内容の確認

ディレクター

担当しているA社からメールだ!

▼メール内容
———————————————
件名:Webサイト更新のご依頼

 

大変お世話になっております。
来月より始まる弊社のキャンペーンに合わせて、Webサイト更新をお願い致します。

 

  1. キャンペーン用バナー
  2. ニュースリリースにキャンペーンのお知らせ情報追加

画像素材と原稿も添付致します。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

———————————————

依頼が来た場合、まずは依頼内容をよく確認することが大切です。
実際に自分がどんな手順で仕事を進めるかを想像しながら、内容の確認をしていきます。
ここでもしクライアントからの依頼内容に不明点があった場合は、先に確認をして作業内容を確定させます。

よくあるパターンとしては、

  • 画像素材が足りない(デザインが作れない)
  • 原稿が来ていない(実装が出来ない)
  • 公開日がわからない(スケジュールが引けない)

などがあります。

今回は、公開日が分からない状態なのでクライアントに確認をしましょう!

ディレクター

ご依頼ありがとうございます。公開日はいつ頃を想定していらっしゃいますか?

クライアント

9月末に公開のスケジュールでお願いします。問題なければ概算見積りをお願いします。

次のステップは、「スケジュールの作成」と「概算見積りの作成」です。

1‐2 スケジュールの作成

まずは、スケジュールを作成するのに必要な情報を集めます。
依頼内容を担当するWebデザイナーとWebエンジニアに伝えて、制作にどの程度時間がかかるのかという「作業工数」を確認します。
制作者への社内オリエン(※1)も兼ねて、確認をしてみましょう!


※1:ディレクターや営業が、クライアントの要件を案件に携わる製作スタッフに共有すること

 

ディレクター

A社から依頼が来ています。この作業内容だとどれくらいの作業工数がかかりますか?

デザイナー

今回の画像作成なら2営業日でできます!
ですが、今、他の案件で立てこんでいるので、少し余裕を見て頂けると大変助かります。

エンジニア

新しい画像が掲載されるので、見映えの調整が必要になりそうですね。
この作業なら確認含めて3営業日で出来ると思います!

慣れてくるとディレクター1人でもスケジュールの要領がつかめるようになってきます。ですが、ディレクター目線では気が付かない部分があるかもしれないので、制作者に確認をお願いすることがほとんどです。

また、制作者はすでに複数の案件を持っているパターンがほとんどです。
無理な働き方にならないようスケジュールを調整することもあります。状況に応じた柔軟なリソース管理もディレクターの大事な役割のひとつです。

最終的に、ディレクターの確認やクライアントの確認期間も盛り込むとスケジュールが完成します。

▼Webディレクター徹底解剖!制作ディレクション編

 

1‐3 概算見積りの作成

全体の作業ボリュームをもとに「概算見積り」を作成します。

作業量に見合った適正な金額で作成しないと、赤字になってしまう可能性もあります。
また、適切な内訳や説明もなく高い金額を請求するとクライアントからの信頼を損なうことに繋がります。

この概算見積りをクライアントに提示し、了承が得られれば制作スタートです。

スケジュールや概算見積りに関してはコチラの記事も見てみてください。

▼Webディレクター徹底解剖!企画ディレクション編

 

2.デザイン期間

【この期間の主な仕事】

指示書の作成

デザイナーに依頼

デザインの確認

クライアント確認

2‐1 指示書の作成

クライアント

概算見積りの確認ができましたので、作業をお願いします。

ディレクター

承知しました。デザインが完成しましたら再度ご連絡します。

作業開始の連絡が来たら、まずはデザイナー向けの指示書を作成します。
クライアントの実現したい成果物ができるように意図を汲み取り、デザイナーへ正確に伝えることがディレクターの大事な役割です。

デザイナーへ指示を出すことを見越して、事前に詳細なニュアンスまでクライアントと認識共有できているとベストです。

資料作成に関しては以前に別の記事でも紹介しているので是非参考にしてみてください!

▼伝える力を伸ばそう!資料作成の役に立つ『オススメ本』紹介!

 

ディレクター

先週オリエンした依頼が作業可能になりました。指示書の内容で問題なければデザインをお願いします!

デザイナー

スケジュールの調整もありがとうございました!これからデザインを始めます!

2‐2 デザインの確認

デザイナー

依頼されていた画像が完成しましたので、確認をお願いします!

ディレクター

ありがとうございます。
確認して問題なければ、クライアントに展開します!

デザインが完成したら、まずは確認作業です。
クライアントからの具体的な指示があった場合は、間違いなく反映されているかどうかを確認します。
画像サイズや拡張子の指定がある場合は、その点も要確認です。

新規制作の場合は上記に加えて、クライアントの考えているイメージに沿ったデザインになっているかを確認します。
修正箇所がある場合は再度作業をお願いしますが、今回は問題なかったこととして、そのままクライアントに確認依頼を出しましょう!

ディレクター

依頼されていた画像が完成しましたので、ご確認をお願いします。問題がなければ、実装に移らさせていただきます。

クライアント

ご対応ありがとうございます。確認の上、再度ご連絡します。

 

3.実装(コーディング)期間

【この期間の主な仕事】

指示書の作成

エンジニアに依頼

プレビューサイト確認

クライアント確認

3‐1 指示書の作成

クライアント

画像の確認が完了しました。
プレビューサイトへのアップロードをお願いします。

ディレクター

ご確認ありがとうございます。
プレビューアップが完了しましたらご連絡いたします。

無事にデザインの確認が取れました。
続いて実装期間に移ります。ここでも指示書を作成して、エンジニアに開発依頼を出します。

重要なのは、「どの部分をどう変えるのか」ということを正確に伝えることです。文字だけで伝わりにくい場合は、キャプチャ画像を資料に加えたりして「絵で分かる」資料にすることもあります。

また、エンジニアは実際にクライアントと直接やりとりを行っていない場合も多いです。なので、ディレクターから渡す資料に間違いがあったとしても気が付けない状態になりがちです。エンジニアはディレクターを信頼して作業をしてくれているので、指示書や原稿は念入りにチェックしてから依頼するようにします。

ディレクター

画像のクライアント確認が取れましたので作業をお願いします!
指示書と素材をお渡しします。

エンジニア

ありがとうございます。
プレビューアップが出来ましたら確認をお願いします!

3‐2 プレビューサイト確認

プレビューアップが完了したら、確認作業を行います。
やり方は様々あると思いますが、基本は「本番サイト」と「プレビューサイト」の比較です。

画面上の見映えが崩れていないか
正しいテキストや画像が反映されているか
正しくソースコードが書かれているか

というのが大まかな確認項目です。

一番大事なポイントは、「変わってはいけないところが、変わっていないか」の確認です。
指示の内容が反映されているかを確認するだけでは、正確なチェックとは言えません。
指示の内容以外の場所に変更が加わっていないかどうかも大事な確認です。

ここまでくれば、あと一息です。クライアントに展開しましょう!

ディレクター

プレビューアップが完了しましたのでご確認をお願いします。

クライアント

ご対応ありがとうございます。
確認出来ましたら本番公開をお願いします。

 

4.本番公開

【この期間の主な仕事】

アップロードファイルの確認

本番サイトへのアップロード

クライアントへの報告

4‐1 アップロードファイルの確認

クライアント

プレビューサイトの確認ができましたので、予定通り本番公開をお願いします。

Webサイトに更新をかける場合、通常は変更を加えたファイルのみをパッケージ化して本番サイトにアップロードします。
変更を加えたファイル(HTML、CSS、JavaScript、画像など)が漏れなくパッケージされているかを最終確認します。

4‐2 本番サイトへのアップロード

本番サイトへのアップロードはFTPソフトを利用するか、企業独自のアップロードツールやデプロイツールなどを使う場合がほとんどです。
作業もエンジニアが行う場合もあれば、ディレクターが行う場合もあります。

データベースなどが絡まない静的なサイトの場合、サイトの構造がわかっていれば専門の知識はそこまで必要ではないので、ディレクターが担当する場合が多いかもしれません。

無事に本番サイトへの反映が済んだら、最後の確認をします。
プレビューサイトと本番サイトを比較して、差異がないことが確認出来たら完了です。

無事に作業完了したらクライアントに報告をしましょう!

ディレクター

本番公開が完了しましたのでご確認をお願いします。

クライアント

ありがとうございます。問題なく本番公開されていることが確認できました。
また次の機会も宜しくお願いします。

 

5.おわりに

今回は「ひとつの案件」を舞台にWebディレクターがどのようなことを考え、どのような業務を行っているかをお伝えしました。
案件全体を通して見てみると、考えなければならないことや関わる人が本当に幅広いということが良くわかりますよね…
ただ、その分成長することができ、やりがいを感じることのできる職種です。
この記事がこれからWeb業界にチャレンジする人の後押しとなると幸いです!

関連記事