Webデザイナー、UIデザイナー、UXデザイナー…など、「デザイナー」と名のつく職種が続々と増えてきて、自分が目指すべきデザイナー像がわからない…と悩んでいませんか?
KROWLの個別相談でも、どんな仕事が自分に向いているのかわからない、というお悩みを多くいただきます。
今回はデザイナーという職種に絞ってキャリアにまつわるイベントを実施したところ、
- デザイナーとしてのキャリアの方向性に迷っている方
- これからデザイナーになりたいと考えている方
- Webやアプリなど、デジタル制作でのキャリアを考えている方
などなど、たくさんの若手デザイナーさん、デザイナー志望の方にご参加いただきました!
さらに今回のイベント開催地はタピオカが有名な聖地原宿。
イベントはタピオカ・・・ではなくジュース片手にデザイナーのキャリアパスについて、
現役のデザイナーとディレクターがトークセッションを展開しました。
本記事では、7/20(土)【U30】これからのデザイナーキャリア、どう描く?29歳の現役デザイナーにリアルを聞いてみる会のレポートをお届けします。
(※登壇者の意図が伝わりやすいように、話し言葉や前後の流れなど一部編集しています)
登壇者紹介
はじめに、本日司会のヒラヤマさん。
最近は、月兎耳を育てているらしい。
【プロフィール】
アパレル販売や美術講師を経験後、Web業界へ転職。
現在はKROWLのデザイナーとしてサービスの企画・改善からソーシャル運用まで幅広く担当し、自身の転職経験も生かして、キャリア相談も行っている。
【こんな話が得意】
- 異業種からデザイナーへのキャリアチェンジで役立つスキル、必要なスキル
- デザイナーのポートフォリオに載せると良かったもの
次にデザイナーのスズキさん。
猫を飼ってるみたいです。書道の腕が半端ない!(達筆)
【プロフィール】
都内の専門学校卒業後、デザイナー歴8年。
Webやアプリなどのデジタル分野を中心に、制作会社からベンチャーまで幅広い経験を活かし、 デザイン業務に留まらずUXや社内施策なども行う。また、個人ではデザイナー向けにブログ「デザインメモ」やSNSで情報発信も行う。
【こんな話が得意】
- デザイナーキャリアのリアル、経験してきた業務やライフスタイルにまつわるアレコレ
- 現役デザイナー視点で見る、会社による業務の違いと得られるスキル
最後にホリウチさん。
赤坂のバターチキンカレーが大好きらしい。
【プロフィール】
IT企業の営業職を経て転職、制作会社にてWebディレクターを務める。
これまで100案件以上のデジタル制作(Web、アプリ、インタラクティブ施策、映像制作、広告)に携わってきた経験をいかし、KROWLをたちあげる。KROWLの責任者。
【こんな話が得意】
- デザイナーの働き方(会社員、フリーランス、リモートワークなど)の違い、メリット・デメリット
- デザイナーキャリア別、求められるスキルの違いや最近のトレンド
株式会社UNITZ様のワークプレイスで実施。おしゃれな空間でした。
20代のキャリア、どう描いてきた?
まずはじめに、みなさんのこれまでのキャリアについてお伺いしました!
スズキさんのキャリア
・専門学校卒業
↓
・受託制作会社からベンチャーまで幅広く経験
↓
・UNITZ執行役員/デザイナー
学生時代からベンチャー企業でデザイナーアルバイトをされていたとのことで、アシスタントデザイナー、リードデザイナー、トップデザイナー、と着実に活躍の幅を広げながら活動されています。
主にデジタル領域のビジュアルデザインを中心にキャリアを描いていらっしゃいますが、特に印象的だったのは経験の幅がすごく広いところ!
ベンチャーや制作会社など複数社経験され、担当業務もWebデザインやアプリ(UI)デザイン、チームビルディング、ディレクション、UXデザイン、社内施策など、多岐に渡ります。
ただ、決して全てがうまくいっていたわけではない、とスズキさん。
自身がやりたいと思っていた業務と実際に任された業務にギャップがあったり、頑張りすぎて体調を崩してしまったり、人間関係でうまくいかなかったり…。
人一倍試行錯誤を重ねながら歩んできた、これまでのキャリアを話してくださいました。
そしてその経験が、スズキさんの魅力にも繋がっているように思います。
また、スズキさんのキャリアの軸として、「デザインを通してコミュニケーションをとる」というところを大切にしているそうです。
昔は人と目を合わせて話すことができず、人前で話すことも大の苦手だった、とのこと(!)。そんななか、デザインを通して人とコミュニケーションがとれる、想いを伝えられる、というところに面白さや喜びを感じたのだそうです。そしてそれがデザイナーであり続けている理由のひとつでもあるとのこと。
何が自分の「軸」なのか?を知ることが、自分自身で納得のできるキャリア選択のポイントかもしれませんね。
ヒラヤマさんのキャリア
・美術大学卒業
↓
・異業種をいくつか経験
↓
・KROWLデザイナー
学生時代は油絵を専攻していたそうで、PCを使用したデザイン制作などは行なっていなかったとのこと。
そこからアパレルや美術講師、キャンドル職人などいくつかの仕事を経験されたそうですが、いずれのキャリアでもベースになったのは「ブランドの世界観を実現したい、サービスをつくりたい」という自身の考えだそうです。
現在でもそれはかわらず、サービスを開発・運営していく過程のなかで発生する様々な業務のなかのひとつとして、デザイン(ビジュアル制作)があるという捉え方だということです。
スズキさんはビジュアルデザインを中心にキャリアを描いていらっしゃいましたが、ヒラヤマさんの場合はサービスデザインというところを中心に据えたキャリアですね。
現役デザイナーFAQ
事前に質問箱にいただいていた内容や、よくある質問にデザイナーが答えていきました!
Q.先輩デザイナーがいる制作会社、いないけれど色々と仕事を任せてもらえるベンチャー企業、どちらが良いか迷っています。
(以下ヒラヤマ)
先輩がいるorいない、スズキさん自身はどちらが良かったですか?
(以下スズキ)
私はどちらも経験しているのですが…どちらにも良さはありますね。
聞ける人がいる、というのは良い環境だと思いますが、そこに甘んじて「聞けばいいや」みたいになってしまうと伸びなくなってしまう。
逆に誰も聞く人がいない、自分でどうにかするしかない、という環境であれば、大変かもしれないけれど自分から情報を取りにいく力がすごくつきますね。
どちらも一長一短なところはあるので、一概にどちらが良いとは言いづらいですね。
(以下ホリウチ)
どちらを選ぶにしても、取り組む姿勢が重要になってきますね。
Q.どんなキャリアを選ぶべき?
最近は「○○デザイナー」という肩書きもふえて、業務範囲も広がってきましたよね。デザイナーのキャリアが多様化しているように思います。
例えば「UXデザイナー」という肩書きでも、企業によって指している業務内容は全然違いますね。マーケ寄りの業務だったり、そもそも社内にUXデザイナーというポジションがまだ確立していない、というケースもありました。
「自分がこの先どのようなキャリアを選ぶべきか迷っている」というような相談をいただいたのですが、仕事を選ぶときにどんなポイントで考えれば良いですか?
自分の軸がどこにあるのか、ということを把握しておくと良いと思います。
私の場合だと、「デザインを通してコミュニケーションを取る」というところが自分が大切にしたいところですし、キャリアの軸になっています。
職種を決めるその前に、自分の軸をまずは知っておいたほうが実際に働き始めてからのギャップが少なくなりそうですね。
Q.デザイナーのキャリアパスが知りたい!
「デザイナーとして将来どうなってるかイメージできない」というお悩みをいただいています。これ、実はデザイナーとしてのキャリアが浅い方とか未経験の方に限ったことではなくて、デザイナー全体の状況としてこうなのかもしれません。
今は変化の激しい世の中ですから、なかなか先を見通すというのは難しい面はあると思います。私も手探りでやってきたので、こんなかんじのキャリアになってます(笑)
今現在バリバリ活躍されているデザイナーの方でも、なかなか先を見通すのは難しい状況なのかな、と思います。こういった状況のなかで、どんなことをやっておくと良いですかね?
世の中の変化を読み取ることが重要なので、情報収集を積極的にしたほうが良いと思います。
実際にスズキさんはどんなところから情報収集をしているのか?インプットはどのようにしているのか?など、交流会でもたくさん質問が来ていたようです。
スズキさん自身は「デザインメモ 」というブログを始めたことがきっかけで、アウトプットのためにも情報収集を積極的に行うようになったそうです。毎朝のルーティンとして情報収集の時間を無理なく取り入れていらっしゃるようで、真似したいポイントですね!
Q.ポートフォリオで悩んでいるけどどうすれば…
(※この日はスズキさんがご自身の過去のポートフォリオや、ポートフォリオの作り方をまとめた冊子を持参してくださっていました)
非常に多く頂くデザイナーのお悩みなのですが
「ポートフォリオが完成しない」「ポートフォリオをどのように作れば良いかわからない」
ということがありまして…。スズキさん自身はどのようにポートフォリオを作成されましたか?
私自身はポートフォリオ作りが楽しかったので、自分で製本したり、すごくこだわって作りこんでいました。ただ、必ずしもそこまで作り込む必要は無いと思います。
「こうしたら作りやすかった」というようなポイントはありましたか?
第三者に見てもらうと良いと思います。私も初期の頃、完成形になるまでにトータルで5~6冊作りました。一旦誰かに見てもらってブラッシュアップを重ねていく、という感じが良いと思います。
客観的なアドバイスをもらうのは大事ですね。ポートフォリオを作るうえで、どんなことを大切にしていましたか?
面接で自分がプレゼンしやすいように作っていました。ポートフォリオは自分の味方になってくれる存在なんです。
デザイナーの面接では「作品をプレゼンしてください」と言われることが多いのですが、私はあまりプレゼンが得意ではなかったので、どうしたら自分がプレゼンしやすいか考えながら作っていました。
採用担当の方とお話する機会がありますが、ポートフォリオでは「制作プロセス」を重視しているという声も多い。
例えばこの遷移図とか…(※スズキさんのポートフォリオに掲載されていたサイト遷移図)すごく刺さると思います。
この遷移図は実際の転職活動でも目に留めてもらえることが多かったです。
私はデザイナーとしてこの案件に携わっていたのですが、サイト全体の遷移を網羅できる資料が不足していたので、必要だと考えて作った資料だったんです。
どう考えて取り組んだのか、どんなプロセスがあったのか、制作の過程をしっかり見せることも重要ですね。
交流会
トークセッションの後は交流会!
飲み物とサンドイッチを片手に、登壇した3名やご参加いただいた方同士でざっくばらんにお話いただける場になりました。
質問も絶え間なく、もっと時間があればいろいろ聞きたかったと言っていただけるほどの大盛況!
スズキさんがご持参くださっていたポートフォリオや冊子もみんなで見ながらお話しました。
質問箱スピンオフ
今回は時間の関係上、お答えしきれなかった質問もあるとのことで、終了後にヒラヤマさん・ホリウチさんのお二人にいくつか伺ってみました。
Q.現在就活中で、映像とWeb方面に進みたい気持ちが強いですが、どちらを選ぶか迷っています。
どちらか一方を選ぶ、というよりは、個人的には映像×Webという領域を自分が作っていくぐらいの気持ちで両方やってみても良いんじゃないかなと思います。実際、Web施策やコンテンツのひとつとして映像を使用しているケースはたくさんありますしね。質問者さんのイメージされている「映像」や「Web」とは違ってしまっているかもしれませんが、私の答えとしては「どっちもやってみる」ことをオススメしたいです!
どちらも魅力的ですよね。個人的な考えなのでご参考までに、人々の感情に何かを訴えかけるような仕事により魅力を感じるなら「映像」、世の中を(機能的に)便利にし、誰かの課題を解決していくようなことにより魅力を感じるならな「Web」という判断もできるのではないでしょうか。自分が「何を求めているのか」を言葉にしてみると、見えてくるものがありそうですね
Q.現在Web制作会社でWebデザイナーとして働いていますが、コーディングは案件でやったことがありません。
今後のキャリアとして「コーディングができるデザイナーになる」、「グラフィックデザインを突き詰める」など色々な道があると思いますが、みなさんはどんな流れで今のキャリアを選択されたのでしょうか。
私は「サービスを作る」ことが好きだったので、結構そのポイントでキャリアを選択してきた感じです。もし私が同じ立場でキャリアに迷っていたら、「コーディングができるデザイナーになる」ことと「グラフィックデザインを突き詰める」ことのどちらが、より面白いサービス作りに繋がりそうかどうかで考えると思います。
自分なりの判断軸を持てると良いのかなと思います。
そのために一番有効なのは経験だと思うので、色々と挑戦してみてはいかがでしょうか。もし可能であれば、今の会社でコーディングも担当してみるなど…。行動を起こすことで得られるものは大きいと思います!
Q.デザイナーになって身につけてきた習慣を教えてください。
日々の情報収集は意識して行うようにしています。Twitterやnote、ニュースサイトなど、隙間時間にチェックすることが多いです。デザインのトピックスだけでなく、Web/IT関連のトレンド、業界の動きなんかもキャッチできるように心がけています。
私はデザイナーではありませんが、普段からWeb/IT関連の記事は読むようにしています。特にプレスリリースであれば、どのような背景でこのサービス(Webサイトやアプリ)が生まれたのか、単なるデザインとしてサイトを見るのではなく、世の中の課題や事業モデルもあわせて知ることができるので、より理解が深まると思い読むように心がけています。