みなさんはWeb業界の職種としてどのようなものを思い浮かべるでしょうか。
Webディレクターやデザイナー、エンジニアなどは一般的にも認知されていますよね。
ただ、それ以外にも沢山の職種があり、Web制作の現場で活躍しているのです。
今回はWeb業界の職種についてお話していきます。
まず基本形として、5つの仕事に分類し、整理してみましょう。
目次
1.制作/運用全体を管理する仕事
- Webプロデューサー: 顧客と交渉しながら、売上・費用の管理、リソース確保を行い、成果責任を負う。
- Webディレクター:制作がスムーズに進むように管理業務を行う、いわば現場監督。
- Webプランナー: 顧客の成果達成のための企画立案、設計を行う。
2.ユーザーに情報を伝えるためのデザイン・コンテンツをつくる仕事
- Webデザイナー: 顧客の要望に合わせたデザインをつくる。
- アートディレクター: デザインなど視覚的表現に関してクオリティ面での責任をもち、デザインスタッフの統括、監督、指導を行う。
- クリエイティブディレクター: すべての表現のクオリティ面での責任をもち、クリエイティブスタッフの統括、監督、指導を行う。
- フォトグラファー、イラストレーター等: デザイン上に使用する写真・動画・イラスト等素材を制作する。
- ライター、編集者: Web上のテキストコンテンツを作成する。
3.IT、インターネットのエンジニアリングを通じて、課題を解決する仕事
- マークアップエンジニア(コーダー): HTMLやCSSを用いてブラウザが扱える形でデザインを再現する。ユーザーの使い勝手やSEOにもかかわる。
- フロントエンドエンジニア: 上記に加え、主にJavaScriptによるプログラミングで画面上のギミックやインタラクションを制作する。
- プログラマー: システムの構築や開発を行う。主にPHPなどサーバーサイドのプログラミング言語で開発を行う。
- システムエンジニア: 顧客の要望を聞き取り、実装する機能を定義し、システム開発に関する設計を行う。
- サーバエンジニア: WebサーバやDBサーバの構築・運用・保守を行う。
4.マーケティング、ビジネス拡大に関する仕事
- マーケター: 市場データを通じてユーザーのニーズを見出し、顧客を企業へ近づけていくことによって、企業の利益を増すための戦略・戦術をつくる。
- アナリスト:アクセス解析等のデータを集計・分析する。
- グロースハッカー:ユーザーから得たデータを分析し、サービス等を目標達成のため迅速に改善してマーケティングの課題を解決していく。
- データサイエンティスト: ビッグデータを活用・分析し、それをマーケティング等に活かす。
5.その他
- カスタマーサポート: Webサービス利用者からの問い合わせに対応する
- バックオフィス業務: 経営・事業運営に必須の人事・経理財務・総務・広報など
大きく以上のように5つに分類しましたが、カタカナ職種が多く、また職種の分類が細かいのが、この業界の特徴です。
ただし、こうした職種名・肩書は、企業によってもかなり振れ幅があり、同じ肩書であっても業務内容が大きく異なる場合があります。
次になぜこのように職種が分かれているのかを紹介していきます。
なぜ細かく職種が分かれているのか?
制作の進行管理をしている人も、マーケティング領域の仕事ばかりしている人も、いずれも同じWebディレクターと名乗っている、なんていうことは頻繁にあります。
あるいは、デザイナーでもコーディングを兼務していたりしていなかったり…業務範囲や役割分担は、企業やプロジェクトによってまちまちです。
また、この業界の人に名刺をもらうと、前回紹介した職種名だけでなく、ほんとうにいろいろな肩書があることに気づきます。
たとえば、「インフォメーション・アーキテクト」「コードディレクター」「Webアドバイザー」「シニアコンテンツプランナー」など長年この業界にいる私にもよく分からない職種を目にすることがあります…
結局その人の仕事を理解しようと思ったら、本人に何をしているのか実際に聞いてみるしかありません。
こうしたことが起きるのは、この業界そのものの歴史の短さ、変化の大きさによるのではないでしょうか。
世界で初めてWeb制作という行為が行われたのは1991年のこと、イギリスの計算機学者ティム・バーナーズ=リー氏が、世界初のWebサイトを作ったときです。つまり、彼が世界初のWebデザイナー、コーダーだということになります。
それからまだ(これを書いている時点では)30年も経っていません。伝統的な手法を体系的にまとめ、業界の標準として組み上げていくには、少々短すぎる時間です。
また、テクノロジーの進化が非常に激しい業界でもあります。
その進化に伴い、次々と新しいサービス、ビジネスが生まれ、それに対応して業務範囲ややり方そのものが異なる仕事をする人(=新しい職種)が生まれてきました。
たとえば先ほどご紹介した「グロースハッカー」という肩書・・・2012年くらいまでは、聞いたことも見たこともありませんでした。そもそもそれまでは、そんな仕事自体が無かったのです。
まとめ
次々に新しい仕事が生まれ、やるべき業務内容・業務範囲がどんどん変わっていき、新しい肩書も出来る。そんな世界だからこそ、これからこの業界をめざす人たちには、あまり職種や肩書に囚われず、もっと大きな視点で仕事を捉えていただくとよいと思います。
すなわち、「制作物や制作者を管理する」仕事をしたいのか、「デザインやコンテンツを作り、ユーザーに情報を伝える」仕事をしたいのか、それとも「技術で物事を解決する」仕事がしたいのか、それとも「Webでのビジネスマーケティング活動」をしたいのか、あるいはそれらを裏方として支えていきたいのか…
このように、具体的にどのようなことがしたいのかという観点で仕事を見ていくことこそ、自分の志向に合った仕事に就くための重要な作業なのです。
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