Webディレクター徹底解剖!制作ディレクション編

今回も前回に続いて、Webディレクターのお仕事について紹介していきます。
企画ディレクターが提案した企画書がクライアントに通ると、いよいよページを作成することになります。

そこで、制作の進行を行うことを

「制作ディレクション」

と呼びます

ただ、ここで
「実際に手を動かすのはデザイナーやエンジニアなんだから、その人達が自分でディレクションをすればいいんじゃないの」
と疑問に思う人がいるかもしれません。

しかし、デザイナーやエンジニア等それぞれの専門家がディレクションも含めてを担当すると、とても多くの工数を抱える事になります。
また、各専門家へスムーズに話を通すため、最低限の知識も必要となります。
以上の事から、「Webディレクター」の役割は大きく、現在でも多くの企業でWebディレクターが求められています。

次項では制作ディレクションの目的について紹介していきます。

制作ディレクションの最大の目的

制作ディレクションの最大の目的は「クライアントや制作チームとの信頼を築き、制作物のクオリティを最大限発揮する事」です。
制作チームには「デザイナー」「エンジニア」「ライター」「カメラマン」など、様々なジャンルのエキスパートがおり、各々全く違う作業をしています。
そんな中、目的地を示してそこにたどり着くまで先導していく行き先案内こそ、制作ディレクションなのです。

短いもので1か月程度で公開出来るものもあれば、大きなプロジェクトですと数年かかる事もあります。

 

制作ディレクションの流れ

制作ディレクションの流れを大まかに説明すると

■事前準備編

■構成編

■デザイン編

■コーディング・システム構築編

■テストアップ~納品編

■請求書等の書類手配編

という流れになります。
それでは1つ1つ見ていきましょう。

 

事前準備編

クライアントとの認識共有

まず初めに企画ディレクションの際に作成したサイトマップに抜け漏れがないか確実にチェックします。
初期の段階だと、クライアントからの

「~ページをつけ足して欲しい」

「~ページは会社のイメージと合わないから消して欲しい」

などの修正が発生することがあるためページは増減していきます。
この段階でクライアントとしっかり調整し、サイトマップのFIX(※1)を目指しましょう。

細かなスケジュールを引く

スケジュールは基本的に全て1日単位で記載します。
クライアントへの提出時間、お戻しをいただく時間も記載します。
時間の表記がないと、提出等の時間認識に齟齬が起きることがあるからです。

A制作会社の例です。

A制作会社は大手おもちゃメーカであるクライアントから10/10納品と伺っていました。
そして10/10当日、17時納品を目指して最終確認をしていたところクライアントから突然連絡が来ました。

「まだ納品されていませんよね。お昼頃からずっと待っています。」

A制作会社がよくよく尋ねたところ、クライアントはお昼ごろには納品されると考えていたようです。
なぜこのようなことが起きてしまったのでしょうか。

その理由は、制作会社とクライアントの間で明確な納品時間が定められていなかったためです。
時間の認識を合わせておくことは必須事項ですので、しっかりと時間設定を行いましょう。

Web制作スケジュールの大まかな項目としては

・構成を引く期間

クライアントからの戻し、修正を行い、すべての文言・掲載写真までFIXした段階でようやく構成FIXです
新しく画像が必要な場合は撮影、コンテンツとしてインタビューの必要があればインタビュー等の期間も記載していきます。

・デザイン期間

一度に全て同時進行が難しいボリュームの場合、フェーズ分けして進行します。
TOPページで1フェーズ、第一階層(TOPの一つ下のページ)で1フェーズ、またその下の階層で1フェーズ等といったスケジュールを引き、少しづつ制作を進めていきます。

・コーディング・システム構築の期間

全体のページをWeb上で表示できるようにコーディングする期間です。
コーディングだけでなく、相手の要望に合わせてお問い合わせフォームやCMSなど、システム面での実装時間も考えスケジュールに記載します。

・テストアップ期間

本番環境にアップする前に、テスト環境で問題がないか確認します。

・納品~確認期間

納品し、本番にアップされた状態で再度確認を行います。

 

構成編

全ページの構成を引く

全てのページの構成を引いていきます。
企画ディレクションで説明したものは、サイトのイメージをクライアントに伝えるためのものですが、この段階ではサイト全体の構成をクライアントに共有いたします。
各ページの文言・要素がクライアントと共通認識であるよう、しっかりと話し合いFIXを目指します。

 

インタビュー・ライティング

各ページのキャッチコピーを考えたり、文章を整理したりしていきます。
インタビューを掲載する際は外部ライターさんにお願いすることもあります。

撮影

クライアントの要望によって画像や動画の差し替えをする場合、撮影をすることもあります。
自社内にカメラマンがいない場合は、外部のカメラマンにお願いする場合もあります。

 

デザイン編

デザインを制作するフェーズです。
事前に決めたコンセプトを元に、ページをデザインしていきます。
複数のページをデザインする場合、基本的には始めにTOPページを制作しFIXさせます。
そして、そのトンマナ(※2)で下層ページを制作していきます。

ここでは、制作ディレクターはクライアントの要望をしっかりと汲み取り、デザインに落とし込む必要があります。
また、優秀なディレクターはクライアントの要望+αのデザインを提案します。

PCだけでなくスマートフォンも含めデザイン段階で制作・確認します。

 

コーディング・システム構築編

デザインを元にコーディングに入ります。
この際にデザイナーとエンジニアの間に入り、デザインや仕様などを共有していきます。
また、CMSなどのシステムを入れる場合はデザイン期間に基本的な構築をお願いしておきます。

ここでもPC・スマートフォン共にコーディングしてもらいます。

 

メタデータの用意

ページ内に記載するタイトルやキーワード、ページの説明等をまとめて用意します。
最近ではSNSへ投稿された際に表示される専用の画像や文章もしっかりと用意します。

 

テストアップ~納品編

テストアップの時点で、PCならchrome,firefox,IE,Edge,Safariなどの各ブラウザ、スマートフォンでもAndroidとiPhoneの各デバイスで確認を行います。
また、公開時にも同様に確認をします。

この作業を怠り未完成なサイトを納品してしまうと、クライアントの信用を大きく失ってしまうため、複数人で何度も確認を行っていきます。
企業によってやり方が違いますが、テストリストを作成し不備なく確認するのが一般的です。

また「Google Analytics(※3)」や「タグマネージャー(※4)」等のツールをいれている場合、実際に動いているかの確認も行います。

 

請求書等の書類手配編

納品したら請求書を出します。
ディレクション費やデザイン費、コーディング費、またサイトによってはライティング費や撮影費など、サイトを制作する上でかかった費用を詳細に書き出していきます。

また、この作業は営業が行う場合もあります。

 

まとめ

実際にサイトを制作していく際に、デザイナーやコーダーなど様々な職種のエキスパートをまとめ上げゴールまで先導する「制作ディレクション」について紹介しました。
今回の記事でWeb制作の流れやどのように制作ディレクションをしていくかということが少しはわかったのではないでしょうか。

次回は制作したサイトの運用を行う

「運用ディレクション」

を紹介します。
「Webディレクター徹底解剖!」の最後となるので是非ご一読を!


  1. 両社が合意した状態
  2. 「トーン&マナー」の略で、 広告においてのデザインなどに一貫性を持たせること。
  3. Googleが提供している、アクセス解析サービス
  4. 複数のタグを1つにまとめて管理することのできるツール

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